成長にあわせたフードの与え方

 犬やネコの成長期がいつまでで成熟期はいつ頃かご存知でしょうか。それに合った食事についてはいかがでしょうか。

 

 離乳期から生後6~7か月(犬種・個体差によって若干の差はあります)までは急激に身体が成長していきます。その成長に必要な栄養素・エネルギーを身体が求めている為に勢いよく食べる時期です。

 この頃は食事の回数を朝晩2回と限定せず、一日量を3,4回と小分けにして与えると良いでしょう。

 しかしペットショップなどで「食事は一日に2回で」と説明されたと言う方もいます。動物だとピンと来ないかもしれませんので、人間の幼児で考えてみるとわかりやすいかもしれません。幼児期は朝昼晩の3食と午前・午後の2回の間食を取る事が多いと思います。幼児期は消化器機能が未熟の為、一度にたくさんの食物を消化出来ません。ですから小分けに少しずつ食べる事で無理なく消化を促し、体に必要な栄養素やエネルギーを摂取する事が出来ます。

 それと同じように子犬・子猫の時期も食事回数を3,4回と分けて与えた方が空腹の時間も短くなり、消化器への負担も減ります。成長に伴い、食事の回数を徐々に2,3回と減らしていけば良いでしょう。

 

 生後6,7か月頃から急激な成長が収まり、必要な栄養素・エネルギー量が減っていきます。この頃に「今までガツガツ食べていた子が少し残したりするようになった」と心配される飼主様が他のフードを与えてみたり、色々なものを混ぜてみたりと試され、必要なエネルギー量より多く摂取してしまい、体重が増えていく傾向や好きな物だけを食べるといった選り好みをするようになる傾向がみられます。

 この時期の肥満はただ体重が増えるだけではなく、肥満細胞の数が増える事で太りやすいかつ痩せずらい体質になりますので注意しましょう。

 この時期は病気でなければ食べる量の減る事が普通なので無理して食べさせる必要はありません。また成犬は1,2食位食べなくても心配せず、残していたら下げてしまいましょう。お腹が空いたらしっかりと食べるようになりますので、おやつも控えるようにすると食事をきちんと取るようになるでしょう。

 

 当院では生後6か月齢から避妊や去勢手術をお勧めしているのですが、その頃でもまだ子犬用・子猫用のフードを与えている方がいらっしゃいます。成犬・成猫用フードへ切り替えてあげましょう。切り替える時は一気にせず、1~2割と徐々に割合を変えていくとスムーズに切り替える事が出来ます。

 そして避妊・去勢手術後は性ホルモン分泌がなくなり、その分の消費エネルギー量が減っていきます。しかし性欲が無くなった分、食欲が増していくと言われており、術前と同じ給与量ですと体重増加=肥満になりやすくなります。また手術直前・直後がその子の適正体重である事が多いですので維持を心掛け、体重管理をしてあげる事で健康維持にも繋がります。

 

 中齢期(およそ7才)から高齢期(およそ10才)は体重が多い子でも無理なダイエットは止めた方が良いでしょう。この時期から様々な病気にかかりやすくなり、痩せていると体力がなく病気に負けてしまう可能性(悪液質)があります。その為、ややぽっちゃりの中年太り程度の体格が良いと思います。

 さらにフードの種類は中・高齢期用のものに切り替えていく事をお勧めします。ただし病気によっては食事に注意する場合がありますので、獣医師の指示に従いましょう。

 

 ペットの時期に合った食事を知り、必要な栄養素やエネルギー量を守る事は病気の予防にもなります。どのような食事が良いのか分からない時は、動物病院でご相談されると良いでしょう。