食物アレルギーがある犬の治療経過

以前、アレルギーについてブログで書かせて頂きました。

(こちらを参照ください→「犬のアレルギーについて」)

今回は食物アレルギーがある犬の治療経過についてお伝えしようと思います。

●ミニチュアダックス・11歳オス

 飼主様の話によると小さい頃より足先を痒がって舐めたり、背中に湿疹が出ていたりしていたそうです。

 治療としては2週間ごとの薬浴、痒みや発疹時は塗り薬や投薬をし対処療法をされていたようです。

 

 昨年、当院で受診された際は内股と足先・裏に毛がほとんどなく、背中~お尻周辺は湿疹が出ている状態でした。そこでアレルギーでは?という疑いがあった為に、除去食による症状が改善されるかどうかという検査、もしくは血液検査によるアレルゲン検査をお勧めしました所、血液検査をご希望されました。

 

 血液検査では食物アレルギーを特定するリンパ球検査と環境アレルゲン・食物アレルゲンを調べるIgE検査を行います。

 この子の検査結果では、IgE検査の環境・食物アレルゲンは全て反応がないか微々たる反応のみで陰性でした。その代り、リンパ球検査では小麦・じゃがいもが陽性反応で、トウモロコシ・鮭・タラ・米が要注意と出ました。

 この検査により食物アレルギーが確定され、さらにどの食物を避けるべきかが分かりました。

 

 そこで様々なアレルギー用フードからロイヤルカナン社のセレクトプロテインダック&タピオカを選び、主食として与える事になりました。

 効果としては2か月程で湿疹が出なくなり、薄かった部分の発毛が見られるようになりました。毎月1回のグルーミングで皮膚のケアをし、足裏が真っ赤だったのが落着き、毛が伸びてくるようになったので足裏カットも行えるという状態です。

 ただし痒みがある場合は投薬で抑えるといった対処療法を併用しながら、現在も状態を観察しています。

 

 飼主様のお話によると小さい頃より痒みのせいで前足先を舐める事をしていた為、癖になってしまったのか痒みがない現在でも舐めてしまっているようです。

 

 この子は10歳と高齢でしたが、飼主様が症状を何とか抑えてあげてたいという気持ちで検査・治療をし、フードは処方食のみしか食べられませんので費用的にもご負担は大きいとは思いますが、現在は良好状態を維持の傾向にあります。

 

 

 当院ではアレルギーが疑わしい症状の場合は検査をお勧めいたします。

 検査について詳しくはこちらをご覧ください→「犬のアレルギーについて」の診断方法

 

 また血液検査によるアレルギー検査費用は

  • Ige抗体検査             10,000円
  • リンパ球反応検査・主要アレルゲン    16,000円
  •          除去食アレルゲン   16,000円

とさせて頂いております。

ご検討下さい。