モルモットの病気について

今回は、モルモットの病気のお話をしようと思います。

先日来院されたモルモットの患者さんで、元気食欲がない事と便が柔らかいという事でした。触診した所、膀胱がパンパンに膨らんでおり、押しても尿がポタポタとしか出ない状況でしたので、まず膀胱に尿結石が出来てないかを調べる為にレントゲン検査を行いましたが、尿結石は見当たらなかった為、細菌性膀胱炎として治療を進めました。

 

排尿障害が元で尿毒症になるまで症状が悪化していたと思われます。その為に食欲減退し消化管の活動が落ち、ガスが溜まり具合が悪いという状況でした。治療を始めて4日目位で食欲が徐々に戻り始め、このモルモットさんは1か月(週1~2回来院)で完治する事が出来ました。

ただし症状の程度・個体差がありますので、ご参考までにしてください。

 

モルモットなどの草食動物は、餌を食べて消化管が常に動いてないといけない動物です。理由としては、腸内細菌のバランス・盲腸便・盲腸内で作られる物質が関わってきます。

モルモットの代表的な病気としては、ビタミンC欠乏症です。

ビタミンCはペレットなどの餌に含まれているのですが、空気中でも壊れていく成分の為、体内で必要量が摂取出来ずに起こる病気です。

症状としては、抜け毛など皮膚の状態が悪くなる・消化管の動きが悪くなる・骨がもろくなるなどです。

治療としてはビタミンCのサプリメントを投与します。その他に皮膚の状態が悪ければ、その治療も行います。

予防策としては、ペレットフードにビタミンCが入っていても安心せずに、普段の食事にビタミンCが豊富に含まれる野菜・果物を与えるか、もしくはサプリメントを与えましょう。

 

またモルモットに多い病気では、不正咬合があります。

固い物をかじらない為に変な方向に歯が伸びます。奥歯が伸びた場合は口の中が傷ついたりすることもあります。

治療としては鎮静をかけ、歯を削る必要があります。

予防策としては、固い物(牧草)をたっぷりと与える事が大切です。

 

 

前述しましたが、消化管が動いてないといけない動物ですので、食欲がない場合はすぐに動物病院で診察してもらいましょう。