ドッグカフェ、犬を飼われている方なら行った事があるという方は多いのでしょうか。現在、我が家ではまだ犬を飼育していないのですが、先日札幌市にあるドッグカフェに行って来ました。
そちらのオーナーの考えに関心があり、訪れました。オーナーは２５年間に渡り北海道盲導犬協会で育成・指導をしていた方です。辞められた後に札幌市内にドッグカフェをオープンしています。
ドッグカフェのコンセプトがとても良いので、紹介します。
１） 愛犬に対して
・ 他犬と触れ合うことで得られる犬としての社会性を育む場を提供します
・ 人と触れ合うことで人間社会でのマナーと立場をわきまえた犬を育む場を提供します
・ 様々な社会経験および基本的なしつけを実践できる場を提供します
２） オーナーに対して
・
共にいる喜びや楽しさを愛犬と共有できる空間を提供します
・ 人や他犬との中で愛犬を制御すること、またその方法を学べる場を提供します
・ オーナーとしてのマナーを発見できる場を提供します
・ 他犬とのふれあいの中で様々な犬種を知る喜びの場を提供します
・ オーナー同士の交流を含め、犬に関する情報交換の場を提供します
３） 社会に対して
・
犬との暮らしを考えている方々に現実的で発展的な情報交換の場を提供します
・ 愛犬家の自覚と新たな人と犬の関係が何であるかを発信し理解と協力を求めます
・ ペット関連に携わる人々と共に今後のヒューマンアニマルボンドについて考えます
・ 身体障害者補助犬への協力と啓発をサポートします
という考えのドッグカフェです。
さらに、こちらでは犬用のお菓子は扱っていません。人が飲食する場所に犬を連れてきて良いという場所なのです。（だから犬無しでも歓迎してくれました）また人と犬が適切で穏やかな関係でいる事を求められるカフェでもあります。
他のドッグカフェに行った事がないので比較は出来ませんが、こちらでは犬達はウロウロせずにきちんと飼主の足元で座っており、外のドッグランで排尿・排便をします。またドッグランでは犬同士が落ち着いて犬らしくコミニケーションを取ったりしています。そのような犬である事が求められるのです。
もし落着きがない、もしくは吠える犬が来た場合はオーナーが指導するそうです。その為、自分の犬を指導して欲しくて行かれる飼主も多いようです。
犬と生活されている方が多い世の中ですが、残念ながら適切とは言えない関係の犬と人がいます。犬を犬として扱わない為に、家族を犬が支配しているケースや問題行動（落着きがない・吠える・咬みつくなど）をするケースが起きます。
愛情を持って接するのは良いのですが、動物として尊重してあげねばならないと思います。可愛がるだけでなく、人と良い関係でいる為の教育が必要になります。
例えばですが、普段言う事を聞かない・何かしようとすると怒る犬がいるとします。もしそのような子が病気やケガをしてしまった場合、自宅で投薬などのケアが出来ない可能性が出てきて、治る病気がなかなか治らなかったりする事も考えられます。
「我慢させる」と思われる方いるかもしれませんが、そうでなく家族内のルールを与える事なのです。やっても良い事とやったらダメな事を飼主がきちんと定めて、それを家族である犬にも教えて守らせるという事です。難しい事ではありません。
ただ犬は理解するのに時間がかかる（犬に時間という概念はありませんが）ので、人が忍耐強く一貫性を持って教える必要があります。ルールがぶれると犬は混乱する為です。
しつけをしようとしている飼主さんで残念だなと思う所では、飼主は叱っているつもりだけど犬に通じてない場面をよく見ます。叱り方が「こら、ダメよ？」という風に優しく注意しているのです。犬は飼い主の気迫を感じます。叱る時は厳しく「毅然とした」態度で示す事が大切です。
診察していて思う所としては飼主が不安な気持ちでいると犬はその気持ちを察して、犬も不安になったり、もしくは飼主さんを守らなきゃ！と怒る行動を起こしたりします。難しいかもしれませんが、飼主は犬の前では不安や心配な気持ちを押し殺して接する必要があります。
人が穏やかだと犬も穏やかに過ごせ、お互いがストレスを感じずに生活出来ます。自分が犬に対して行っている事が正しいのかどうかを疑問に持ち、確かめてほしいと思います。問題があった場合は犬のせいにせず、人が変われば犬も変わります。
今回ご紹介させて頂いたお店です。
食事の方もとても素晴らしいので、是非どうぞ。
【dog cafe Nagasaki】
札幌市清田区里塚緑ヶ丘11丁目10-33
011-889-3456
http://www.sapporo-dogscafe.com/main.html
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