当院の看板や診察券などで使っているロゴマークは
何の動物だと思いますか?
正解は「狼」です。
狼である意味の一つとしましては、動物病院では色々な種類の動物を診ますが一番多いのは犬です。 現在の犬達は品種改良されて、ほとんど愛玩用に飼育されていますが、元々は野生動物の「狼」だという事は忘れてはいけません。
狼が群れを作り、リーダーに従って行動していたという事はしつけの上でも大事な要素です。
オーナーがしっかりとリーダーになって飼い犬を従わせる事で犬は「守られてる」という安心感で生活できます。しかし、そこで人間より上の立場だと勘違いしてしまった犬は不安や恐れを感じます。
問題行動につながる理由の一つです。
例として。
食事の時間でない時に食べ物を欲しがる飼い犬に対して言いなりになって与えてしまうと、犬は「飼主は自分の言う事を聞くんだ!自分は偉いんだ!」と勘違いします。
そうなると犬はリーダーである自分が家族を守られなければならないというプレッシャーを持つようになり不安を抱きます。
さらにオーナーは、飼い犬が自分に対して主導権を握ろうとしていると思い込み、それを力ずくでコントロールしようとする事で犬をますます混乱させます。
結果的に犬が不安定になってしまい、吠える・咬みつくなどの行動を起こしたり、食事をちゃんと食べないなど甘えとも受け取れる行動を起こしたりします。
オーナーはルールを作り飼い犬にそのルールを守らせる事によって家族内での社会的地位を築き、犬は安心と安全を得る事が出来ます。
犬も家族の一員である事は間違いないのですが、親しき仲にも礼儀ありといった事が
動物と人間との間にも言えるのではないでしょうか。
もう一つの意味としましては「エゾオオカミ」という意味も込めています。
当院の病院名に「イコロ(宝物)」というアイヌ語を使うことを決めた時に病院を設計して下さった建築士さんのアイディアです。
エゾオオカミは絶滅動物の一種ですが、アイヌの人々は当時エゾオオカミを「ホロケウ カムイ(狩りをする神)」・「オオセ カムイ(吠える神)」と呼んでいたようにエゾオオカミを畏敬していました。
犬の祖先である狼、北海道でいえばエゾオオカミをロゴマークにし、尊い命の動物を大切にするという心を表しています。
動物病院として最もふさわしい動物だと思います。
山田ひとみ
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