日野原先生の記事「癒やし」について

 先日、朝日新聞の土曜版に掲載されていた日野原重明先生のコラム「100歳・私の証 あるがまゝ行く」の文章に感銘を受けましたので、一部紹介したいと思います。

 

 

 病や傷を治すのは決してメスを握る医師の技術だけではありません。科学が著しい発展を遂げた現代では、一般的に「病気は医師が薬物や手術で治す」と考えられています。ですが、その力を超えた領域もまた存在します。

~中略~  

 癒やしには「体の癒やし」の他に「心の癒やし」があります。「介抱する」「手当をする」という日本語は、英語のcare(ケア)に当たります。これは「病む人の近くに寄り添って世話をする」ことで、看護・介護する心の本質を表現する言葉だと思います。

 医療技術は万能ではありません。でも、人間には自然治癒力が備わっております。この隠された力への敬意を忘れず、その力を借りてこそ医療が「癒やし」につながることを心にとめてもらいたい。

 

 

 これは動物にも言える事で、我々獣医が思っている以上の力を発揮してくれることが度々見られます。医療の力以外に、飼主様の「ケア」も加わることで「癒やし」につながっていくという事を、改めて感じさせられると同時に、飼主様に対する「心の癒やし」を行わないと「ケア」が実行されないのではないか?と考えさせられる記事でした。

 

                                  山田 有人