最近ペットの食べ物はおやつも含めて様々なものが豊富に見られるようになってきました。その中で、どれを選んで食べさせたら良いのか悩む方が多くいます。
ペットの健康を維持する為にどのような食事を選ぶべきでしょうか。
まず、良い食事とは、五大栄養素(蛋白質・炭水化物・脂質・ミネラル・ビタミン)のバランスがそれぞれの動物の種類に合っているということと、消化性の高い良質な蛋白質を使用しているということです。消化性が高いと、糞便量は少なくなります。
犬は肉食に近い雑食性で、猫は肉食性です。犬は動物性の食物がなくても生きていけますが、猫は動物性食物からしか摂取出来ない必須栄養素があり、体内で作る事が出来ない栄養素(タウリン・アラキドン酸・ビタミンA)は食事から取らなければなりません。 犬のフードを猫に与える事は好ましくない事がお分かり頂けると思います。
動物の体は食べた物で出来ており、食べた物でしか体を作る事は出来ません。軽い病気やケガは薬ではなく自力で治してしまいます。病気や大きなケガをして薬の力を借りなければならない時も、しっかりとした食事を取っていなければ治る病気もなかなか治らないという事が起こります。
例としましては、皮膚は摂取した栄養素の約30%が利用されて健康な状態が維持しています。必要な栄養素が取れずにいると、皮膚が弱くなり感染症を起こしやすくなったり毛艶が悪くなってきたりというような状態になる事があります。
ただし必要以上の栄養を取り過ぎると肥満になります。肥満かどうかの目安は肋骨・背骨が見た目では出ていないが、体を優しくなでた時にそれらが確認出来る事やウエストラインの有無で判断します。肥満の場合はペットの性質・生活環境を考えて食事を適切な内容・給与量にする必要があります。
肥満になると、皮膚病・心臓病・関節疾患・糖尿病(猫)・尿石症などの病気のリスクが高くなります。また尿石症はミネラルバランスが崩れるとなりやすくなります。
日本という国は様々な食物にあふれているという幸せな国ですが、その豊富な食材を「我が子(犬・猫)にも食べさせてあげたい!」という気持ちが特に日本人は強いと感じています。
フードの裏面に種類別が記載されています。
現在、動物用の食事にドライフードや缶詰などの「総合栄養食」があり、その年齢ごとに合わせたものと水を与えていれば必要な栄養素は補えます。
他に「一般食(おかずタイプ)」「栄養補完食・サプリメント」「食事療法食・特別療法食」があります。
「一般食(おかずタイプ)」とは、人間の食事でいうと「おかずのみ」であり、これだけでは必要な栄養を全て満たせず、他のフードやサプリメント(栄養補完食)を併用する必要があります。
「食事療法食・特別療法食」は病気にあった栄養素をバランスよく配合されたものです。病気の種類・度合によって獣医師より処方されるものですので、きちんと指示のもとで与えましょう。
総合栄養食であるフードのみで食事としては十分なのですが、そこに肉・野菜・果物といったトッピングをすると栄養バランスが崩れます。
おやつやトッピングの量を聞くと「少しだけ」と皆さん答えられますが、実際はペットの体の割に量が多いことがよくみられます。小型犬や猫の体重を人間の体重と比べると1/10以下です。
そこで例えば小型犬のおやつにリンゴ1/8を細かく切ってあげているとします。人間に換算すると、10倍量(リンゴ1個分以上)を食べているというように考えられます。そうなると、おやつにしては多くありませんか?
好きなものを与えすぎるとフードを食べなくなり、心配になったオーナーはフードを変え、トッピングも量が増え…といった悪循環にはまるケースが見られます。
人間の子供であれば「好きなものやおやつばかり食べないでちゃんとご飯を食べなさい!」と叱ったりするところですが…。
動物も人間と同じで、毎日のバランスの良い食事が大切です 。病気の予防・健康の維持の為に適切なフードの種類・量をペットに与えましょう。
どのフードを選べばよいのかお悩みの方は当院でご相談くださいね。
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慎吾ママ (水曜日, 29 8月 2012 23:15)
☆☆残暑お見舞い申し上げます☆☆
いつも愛息子のシマリスがお世話になっております。
なかなかの残暑ですが、皆々様お元気でしょうか?
大将やリッキーさんもバテていませんか?
先日診察後ふと2階の窓辺で日向ぼっこしているニャンコさんがいましたが
リッキーさんでしょうか??
こちらでのブログや診察のお話でご飯やアレルゲンの事を聞き
ご飯1つとってもつくづく難しいなぁと考えさせられます。
美味しそうに食べる姿を見ると遂、あれよあれよ…という衝動に駆られます。笑
また近く診察にお伺いいたします!